■ 「行政書士」とは
■ 行政書士とは
行政書士は、行政書士法に基づく国家資格者で、他人の依頼を受け報酬を得て、①「官公署に提出する書類」の作成及び提出手続代理、②「権利義務または事実証明に関する書類」の作成等を行います。
行政書士倫理綱領 |
行政書士は、国民と行政とのきずなとして、国民の生活向上と社会の繁栄進歩に貢献することを使命とする。
- 行政書士は、使命に徹し、名誉を守り、国民の信頼に応える。
- 行政書士は、国民の権利を擁護するとともに義務の履行に寄与する。
- 行政書士は、法令会則を守り、業務に精通し、公正誠実に職務を行う。
- 行政書士は、人格を磨き、良識と教養の陶冶を心がける。
- 行政書士は、相互の融和をはかり、信義に反してはならない。
■ 行政書士の仕事
1.許認可申請 |
「官公署に提出する書類」の作成及び提出手続代理とは、「営業許可申請書」等を作成し、代理人として、役所に対して提出する「許認可申請」等の仕事をいいます。許認可申請は9,000種類以上あるといわれていますが、以下にその代表的なものをご紹介します。
- 建設業許可申請
- 宅地建物取引業者免許申請
- 風俗営業許可申請
- 産業廃棄物処理業許可申請
- 酒類販売業免許申請
- 飲食店営業許可申請
- 古物商許可申請
- 介護保険制度申請(指定居宅サービス事業者申請)
- 自動車登録申請
- 自動車保管場所証明書(車庫証明)
- 帰化許可申請
- 在留資格認定証明書交付申請
- 医療法人設立認可申請
- 特定非営利活動法人設立認証申請
- 著作権登録申請
2.権利義務・事実証明に関する書類の作成 |
「権利義務に関する書類」とは、権利の発生、存続、変更、消滅の効果を生じさせることを目的とする意思表示を内容とする書類をいいます。具体的には、遺言書、遺産分割協議書、離婚協議書、各種契約書(贈与、売買、消費貸借、賃貸借、雇傭、請負、委任等)、示談書、内容証明、定款等があります。また、「事実証明に関する書類」には、実地調査に基づく各種図面類(位置図、案内図、現況測量図等)、各種議事録、会計帳簿等があります。
以上が行政書士の法定業務となりますが、これ以外にも、新しい分野として、「成年後見」「ADR(裁判外紛争解決)」等にも力を入れています。
■ 行政書士の特徴
行政書士の特徴は、他の士業と比べて業務範囲が広いことです。そのため、行政書士は「特化」と「ワンストップサービス」という独自のサービス体系を発展させてきました。
行政書士事務所は、それぞれ専門(得意分野)を持っています。初めて行政書士に依頼する場合は、依頼したい内容を専門とする行政書士事務所を探すのが良いでしょう。日本行政書士会連合会のホームページでは、「会員・法人検索システム」を設けていますので、「事務所の所在地」と「主な取扱い業務」で検索するのもひとつの方法です。
また、行政書士の業務は多岐にわたるため、他の士業と連携して仕事を行うことも多いです。たとえば、相続に関する手続では、行政書士が遺産分割協議書を作成して、司法書士が不動産登記申請をして、税理士が相続税申告をしますが、ご依頼者がその都度、それぞれの事務所を探すのは大変なことです。行政書士は幅広いネットワークをもっていますので、行政書士事務所が窓口となり、それぞれ提携の事務所に仕事を引き継ぎ、ご依頼者にご不便をかけないように「ワンストップサービス」を提供します。