元気なうちに自分の後見人を選んでおけるらしい?!
「後見開始の申立て(または保佐開始の申立て、補助開始の申立て)」は、すでに判断能力が低下した方を保護するために、周りの方が主体となって行うものです(もちろん、ご本人が申し立てることもできますが、現実にはなかなか難しいようです)。申立てがなされると、家庭裁判所が審判により、成年後見人(または保佐人、補助人)を選任し、その財産管理の内容を決定します。
「
だれに自分の老後の財産管理をお願いするか、自分で決めることはできないの?
何をお願いするかも、自分で考えたいんだけど」。そんなふうにお思いになっているあなたには、元気なうちに
信頼できる人と「任意後見契約」を結んでおくことをお薦めいたします。この方法ならば、将来どのような財産管理をしてほしいか、どのような療養看護を受けたいか、などについて、
あなたの自由に決めておくことができるからです。また、「自分の娘には老後のケアに関することをお願いして、不動産の管理や法律行為は専門家である行政書士にお願いしよう」というように、
任意後見人を何人か選び、それぞれに別のことを頼んでおくこともできます。
財産管理の内容と、任意後見人になってもらう人が決まったら、全国各地にある「公証役場」というところに行って、「公証人」という人に「任意後見契約書」を作成してもらいます(公証人が作成した書類を「公正証書」といいます)。
任意後見契約書は、とても大事なものなので、きちんと「公正証書」にしなさい、と法律で決まっています。
「任意後見契約を結んだけど、任意後見人はいつから仕事を始めるのかなぁ」。任意後見人は、あなたの判断能力が低下したときに財産管理を始めることになります。しかし、勝手に始めてよいわけではなく、家庭裁判所が任意後見人の行動を見守る人(これを
「任意後見監督人」といいます)を選任してから、はじめて任意後見人としての仕事に着手することができるようになります。
「まだ判断能力は低下していないんだけど、足腰が弱ってきているので、今から財産管理をお願いすることはできないのかなぁ?」。そのような場合は、任意後見契約といっしょに、
「委任契約」を結んで、現在の財産管理についても依頼しておくとよいでしょう。
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